埼玉大学×CASIO
産学共同プロジェクト

日本の数学教育をより良くするために

2020年コロナ禍の中、埼玉大学のご協力のもと、カシオ計算機との産学協同プロジェクトを実施いたしました。
数学授業における関数電卓実用化とグローバル展開
ClassWiz関数電卓を数学の授業に積極活用した取り組みをご紹介致します。

公開日:2021年6月1日
更新日:2021年11月30日
更新日:2022年7月1日
更新日:2023年4月10日
更新日:2023年7月3日
更新日:2024年7月3日

Top Message TOPメッセージ

CASIOの考え方

環境や学びの変化をどこよりも早く捉え実践していき、また地域や教育機関と連携を図り、教育現場の活性化を推進するべく、以下3つの指針をCASIOは重視しています

  • 計算論的思考(Computational Thinking)/アルゴリズム的思考(Algorithmic Thinking)の先を目指して
  • 数学嫌いを減らす挫折させない学習方法の確立
  • 社会事象を取り入れ社会貢献できる力の育成

本プロジェクトについての松嵜昭雄 准教授によるコメント

 OECD(経済協力開発機構)が進めているPISA(Programme for International Student Assessment)調査は,2015年調査より,CBT(Computer-based Testing)方式へと全面的に移行されました。わが国で実施されている,全国学力・学習状況調査においてCBT方式の導入について検討が進められています(内田洋行, 2019)。大学入学共通テストの英語リスニングでICプレーヤーが使用されているように,数学の問題を解決する際にICT機器を使用するようになるかもしれません。また,非営利団体College Board が主催している米国の標準テストSATでは,関数電卓の使用が認められており,関数電卓を使用しないと解決することができない問題も出題されています(松嵜, 2021)。今後,算数・数学科においても,関数電卓をはじめとするICT機器の使用を前提とする教材と授業準備が必要となるでしょう。
 埼玉大学がカシオ計算機株式会社と締結した受託研究「数学授業における関数電卓実用化とグローバル展開」(研究代表者:松嵜昭雄)では,中等教育段階の数学科教員が,恒常的に関数電卓を用いて,数学授業をおこなえるようになることを目指しています。本受託研究の特徴は,研究グループのメンバーのうち数学授業の実践者である,中等教育段階の数学科教員がワークショップを計画・実施する点です。彼らの豊富なアイデアと確かな実践(Good Practice)をもとに,「教材」「指導案」「関数電卓の操作方法」「実践事例」のパッケージを準備し,先生方の算数・数学授業の一助となることを期待しています。

参考文献
内田洋行(2019)『平成30年度文部科学省委託研究「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」研究成果報告書 全国的な学力調査におけるICTの活用に関する調査研究』https://www.mext.go.jp/content/1416819_01.pdf(2021年4月9日最終確認)
松嵜昭雄(2021a)「関数電卓使用を前提とする数学授業の構想-2020(令和2)年度の取組-」『数学教育学会2021年度春季年会予稿集』pp.96-98
松嵜昭雄(2021b)「Organized Session B『関数電卓使用を前提とする数学授業の構想』報告」数学教育学会学会『学会通信』72号, pp.9-10

埼玉大学 教育学部 松嵜昭雄 准教授

埼玉大学 教育学部
松嵜 昭雄 准教授

プロジェクト代表

埼玉大学教育学部 松嵜昭雄研究室

Lesson Plan 指導案

都立大泉桜高等学校 上田 凜太郎 主任教諭

都立大泉桜高等学校
上田 凜太郎 主任教諭

数学Ⅱ 実数解の個数

この指導案は,埼玉県高等学校数学科標準テスト【数学Ⅱ+B】6(4)をもとに作成しています。関数電卓の「高次方程式」機能では,次数が4までの方程式であれば,解くことができます。これを活用し,5次方程式の実数解の個数について調べる活動をおこないます。その際に,因数定理によって,次数を下げることの意図に注目したい。

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数学Ⅲ 因数分解の最高次数

この指導案に示した授業では,xn=1の解を高次方程式機能を用いて求めるために,xn−1の因数分解における各因数の最高次数に着目し,その規則性を推測することをねらいとしています。関数電卓の「高次方程式」機能では,次数が4までの方程式を解くことができます。「高次方程式」機能を用いた場合,「高次方程式」機能を用いることができない場合を顕在化させ,因数の多項式の最高次数とxn−1のnには,どのような関係があるかを調べる活動をおこないます。

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川口市立舟戸小学校 本間太陽 教諭

川口市立舟戸小学校
本間 太陽 教諭

活用 確率のワークショップ

この指導案に示したワークショップは,学生が自身の経験等をもとにゲームのルールを決め,関数電卓を用いてゲームの勝つ確率を求めることができることをねらいとしています。関数電卓の「表計算」モードで乱数を表示し,疑似的なゲームの結果を表示しています。そして,その表示されたゲームの結果を求める前と求めた後に,どのような変化があるのかをみることができるように課題を設定しています。

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開智中学・高等学校 大川健史 教諭

開智中学・高等学校
大川 健史 教諭

活用 有明アリーナの天井の光の反射

この指導案に示した授業では,「有明アリーナの天井の光の反射」の課題を通して,有明アリーナの天井を既知の関数に近似し,その微分係数を求めます。微分係数の値をtanの逆三角関数に代入することによって,入射角・反射角を計算することができることをねらいとしています。本時で扱う問題は,様々なICTで解決できます。本時のねらいに即した場合は,関数電卓が適切であると想定し,授業をおこなっています。

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埼玉県立川越女子高等学校 佐藤陽平 教諭 事務局長補佐

埼玉県立川越女子高等学校
佐藤 陽平 教諭
事務局長補佐

「通し矢」の矢の軌道に着目した数学ワークショップ指導案

この指導案に示した授業は,漫画『弓道士魂』の場面を数理的に捉え,数学的に表現し,関数電卓を用いて問題を解決し,解決過程を振り返り得られた結果の意味を考察することができることをねらいとしています。矢の軌道を放物線と仮定し,漫画の場面の記述が本当に正しいのかどうかを,関数電卓の諸機能を用いて確かめる活動を想定しています。

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活用 「通し矢」の矢の軌道に着目した数学科指導案(略案)

この指導案に示した授業では,漫画『弓道士魂』の場面を題材として扱っています。漫画の記載内容が本当に正しいのか,実際に弓を引く際に,矢を的にあてるようにするにはどのように狙いをつければよいのかを,関数電卓の諸機能を用いて探求する活動を想定しています。『「通し矢」の矢の軌道に着目した数学ワークショップ指導案』では,何本目の肘木すれすれを狙えば矢が的にあたるかを求めましたが,本授業ではこれに追加して,矢を水平からどのくらい上に向ければ的にあたるかを求めました。

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埼玉県立大宮光陵高等学校 波形政輝 教諭

埼玉県立大宮光陵高等学校
波形 政輝 教諭

数学Ⅱ指導案(略案)

この指導案に示した授業では,関数電卓を用いて3次方程式の解を探す活動を通して,式の値の増減について考察することをねらいとしている。関数電卓の「カルク機能」では,変数の値を代入したときの多項式の値を求めることができる。これを活用して,式の値が0に近づいたり遠ざかったりする様子を観察し,3次方程式の実数解の探究ができるような課題を設定している。

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埼玉県立吹上秋桜高等学校 棚澤 日菜子 教諭

埼玉県立吹上秋桜高等学校
棚澤 日菜子 教諭

「ピタゴラス音律」の算定法に着目した数学ワークショップ指導案(略案)

この指導案に示したワークショップは,学生が感覚と数学の双方から調律をする活動を通して,「ピタゴラス音律」の算定法を,関数電卓を用いて数学的に表現・処理することができることをねらいとしている。また,学生らが,自身が表した弦の長さを求める関数をもとに,どのような関数電卓のモードや機能を用いて,弦の長さを求めたのかをみることができる課題を設定している。

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昭和第一学園高等学校 三島直人 教諭

昭和第一学園高等学校
三島 直人 教諭

数学Ⅱ指導案(略案)

この指導案に示した「円の接線に関する問題」では,通常,2次方程式の解の判別式を用いる解法や点と直線の距離の式を用いる解法が想定される。一方,関数電卓の逆三角関数機能を用いると,直線とx軸のなす角の大きさに着目した解法も想定できる。本指導案で示した授業では,この解法に着目し,式を立て,関数電卓を用いて解決する。また,「円の接線に関する問題」の特殊な場合を扱ったり,一般の場合は設問を設定する等,多くの生徒がこの問題に取り組みやすくなるように設計した。さらに,発展的な内容として,楕円の場合の問題も取り扱った。

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草加市立草加中学校 今井壱彦教諭 プロジェクト事務局長

草加市立草加中学校
今井 壱彦 教諭
プロジェクト事務局長

紙を折る回数と紙の厚さに関する数学科 指導案(略案)

この指導案は,紙を折る回数と紙の厚さに関する探究を軸としています。紙を半分に折り,重ねていくことを繰り返していくとき,何回折ったときに,100mに届くかを調べていきます。その際に,関数電卓に入力した式から学生らが,仮定を見出す活動を取り入れています。また,関数電卓を用いて,計算をしていくと,紙を折る回数が自然数にならない場合が多く,その紙を折る回数が自然数にならない場合をどのように解釈するかに焦点を当て,指導案を立案しました。

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埼玉県立入間向陽高等学校 原 健太郎 教諭

埼玉県立入間向陽高等学校
原 健太郎 教諭

埼玉県立 入間向陽高校 山本 柚 教諭

埼玉県立入間向陽高等学校
山本 柚 教諭

プロジェクターを題材とした光の明るさと投影距離に関する数学科 指導案(略案)

この指導案は,プロジェクターからの投写距離と投写画面の明るさの関係について探究する活動を想定しています。はじめに,学習者は,投写距離と投写画面の明るさの関係がどのようになるかを予想します。次に,学習者は,メジャーと照度計を用いて,投写距離と投写画面の明るさのデータを収集します。そして,収集したデータをもとに,関数電卓の「統計計算」モードによる回帰計算の結果から,どのような関係であるかを探究していきます。

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埼玉県立吹上秋桜高等学校 棚澤日菜子 教諭

埼玉県立吹上秋桜高等学校
棚澤 日菜子 教諭

対数目盛を用いた線形変換に関する数学ワークショップ 指導案 (略案)

この指導案に示したワークショップは,米国の標準テストSATのThe SAT Math Testのサンプル問題SAT math test Question 4 of 28をもとに,関数電卓を用いて,次の2点について明らかにすることを目的としている:学生らが,自身が点をプロットした片対数グラフと,関数電卓の「統計計算」モードによる回帰計算の結果をもとに,y軸を対数目盛に変更したことで,曲線で表されていたグラフの変化をどのように予想したのか,学生らはどのような根拠をもとに線形であるとみなしたのか。また,学生らが,自身が点をプロットした片対数グラフと,関数電卓の「統計計算」モードによる回帰計算の結果をもとに,y軸を対数目盛に変更したことで変化したグラフの概形と,線形であるとみなすために必要な根拠は何かについて考察することができること,そして,指数関数の常用対数をとることの意義を実感することを期待している。

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草加市立草加中学校 今井壱彦教諭 プロジェクト事務局長

草加市立草加中学校
今井 壱彦 教諭
プロジェクト事務局長

平方根の値の増え方に関する数学科 指導案(略案)

この指導案は,平方根の値の増え方が一定でないことに焦点を当てています。平方根の値の増え方が一定でないことは,従来の授業で扱われません。ただ,関数電卓を用いることで,小数の平方根を求値することが容易になります。関数電卓で求めた様々な平方根の値をもとにして,グラフで表していくと,曲線になります。なぜ曲線になるのかを議論する場も設定しています。さらに,最後には,平方根のグラフと既習の放物線のグラフが原点を中心に回転させると一致することにも触れています。

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須崎中学校 数学科 田中 勇誠 教諭

須崎中学校 数学科
田中 勇誠 教諭

高知県教育センター 村田 由香梨 教諭

高知県教育センター
村田 由香梨 教諭

学習指導案 略案

関数電卓を用いて連立方程式の解を求めた際に「解なし」や「無数の解」が表示されることがある。本授業では,この事実をもとに,連立二元一次方程式を解く際に手計算だけからは見えてこないグラフとの関係を関連付けることで,連立方程式の解の意味について視覚的に捉えて理解させる構成とした。従来の授業では,連立方程式を実際に手計算で求めた後にグラフとの関連を考察する流れが多い。本授業では,連立方程式の解を敢えて手計算で求めさせず,関数電卓を用いて解を求めさせ,「解なし」や「無数の解」の意味を生徒に考えさせる点に,本授業の特徴と新しさがある。

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Standard Test 標準テスト

草加市立草加中学校 今井壱彦教諭 プロジェクト事務局長

草加市立草加中学校
今井 壱彦 教諭
プロジェクト事務局長

令和元年度(第69回)埼玉県高等学校数学科標準テストを例として,関数電卓を使用した解法と関数電卓を使用しない解法を確認していきました。以下の全体構成図には,埼玉県高等学校数学科標準テスト(数学Ⅰ+A),及び埼玉県高等学校数学科標準テスト(数学Ⅱ+B)の問題分類結果が掲載されています。分類結果は,次の3つです。1つ目は,関数電卓を用いて即時に解決できる問題です。2つ目は,工夫すれば解決できる問題です。3つ目は,関数電卓を使用した解決が困難な問題です。このうち,工夫すれば解決できる問題は,さらに次の3つに分類することができます。1つ目は,関数・条件式の工夫や公式を利用すれば解決できる問題です。これは,問題で与えられた関数・条件式を変形する等の工夫や公式を利用すれば解決できる問題が該当します。2つ目は,関数電卓の使用方法を工夫すれば解決できる問題です。これは関数電卓の各種機能を用いれば解決できる問題が該当します。3つ目は,関数電卓での出力結果を検討・解釈すれば解決できる問題です。これは出力結果がそのまま解答にならず,出力結果の検討・解釈を要する問題が該当します。また,1つの問題が複数の分類に当てはまる場合もあります。また,関数電卓を使用した解決が困難な問題には,次の2つの特徴が挙げられました。1つ目は,文字式の計算を要する問題です。2つ目は,正しい選択肢や正しい曲線を選択する問題です。今後は,これらの特徴も踏まえつつ,他の学力調査を例として,関数電卓を使用した解法と関数電卓を使用しない解法について確認していきます。

表1 関数電卓使用を前提とした際の令和元年度(第69回)埼玉県高等学校数学科標準テストの問題分類(今井,2021,p.100)

即時に解決できる問題 工夫すれば解決できる問題 解決が困難な問題
関数・条件式の工夫や公式を利用すれば解決できる問題 関数電卓の使用方法を工夫すれば解決できる問題 出力結果を検討・解釈すれば解決できる問題
「数学I+A」 1(2)(4) 3(3)(4) 1(5) 1(1)(3) 3(1)
2(3)(4) 4(3)~(5) 3(2)~(5) 2(1)(2)(5) 4(2)
4(1) 6(1)~(5) 5(2)(3) 5(4)
5(1)(5) 7(2)(4)(5) 7(3) 7(1)
8(2) 8(1)(3) 8(4)(5)
「数学II+B」 1(3)(7)(9)(10) 1(1)(4) 2(2)(4) 1(1)(5) 1(2)(6)(8)
4(2) 2(1)~(4) 5(2) 3(2)(4) 3(3)
5(3) 3(1) 6(3) 5(1)(4) 4(1)(4)
7(3) 4(3) 8(2) 6(4) 6(1)(2)
7(4) 9(1) 9(2)(4) 7(1)(2)
9(1)~(3) 8(1)(3)(4)
10(1)~(3) 10(4)

参考文献
今井壱彦(2021)「関数電卓使用を前提とした数学問題解決時の解法に基づく問題分類-令和元年度(第69回)埼玉県高等学校数学科標準テストを例として-」『2021年度数学教育学会春季年会予稿集』 pp.99-101

令和元年度(第69回)埼玉県高等学校数学科標準テスト

それぞれ埼玉県高等学校数学科標準テストの関数電卓を使用した解法、関数電卓を使用しない解法を記載しています。

今井壱彦(2021)「関数電卓使用を前提とした数学問題解決時の解法に基づく問題分類-令和元年度(第69回)埼玉県高等学校数学科標準テストを例として-」『2021年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.99-101

テスト 題材 ご作成者 PDFファイルをダウンロード
数学Ⅰ+A 2(4) 平方根の計算 埼玉県立日高高等学校 波形政輝 教諭 ダウンロード
3(2) 二次関数 埼玉県立不動岡高等学校 鈴木大樹 元教諭 ダウンロード
4(1) 三角比 春日部共栄中学高等学校 小篠拓央 教諭 ダウンロード
5(1) 平均値、中央値 草加市立草加中学校 今井壱彦 教諭 ダウンロード
5(4) 相関係数 ダウンロード
8(1) 約数の個数 開智中学・高等学校 大川健史 教諭 ダウンロード
8(2) 最大公約数、最小公倍数 開智中学・高等学校 大川健史 教諭 ダウンロード
数学Ⅱ+B 1(1) 因数分解 都立大泉桜高等学校 上田 凜太郎 教諭 ダウンロード
4(2) 三角関数(tan) 草加市立草加中学校 今井壱彦 教諭 ダウンロード
5(2) 不等式 埼玉県立不動岡高等学校 鈴木大樹 元教諭 ダウンロード
6(4) 方程式 埼玉県立日高高等学校 波形政輝 教諭 ダウンロード
7(3) 定積分 埼玉県立川越女子高等学校 佐藤 陽平 教諭 ダウンロード
8(2) 等差数列の和 開智中学・高等学校 大川健史 教諭 ダウンロード

センター試験・共通テスト

それぞれ電卓を使用した解法,電卓を使用しない解法を記載しています。

即時に解決できる問題 工夫すれば解決できる問題
関数・条件式の工夫や公式を利用すれば解決できる問題 関数電卓の使用方法を工夫すれば解決できる問題 出力結果を検討・解釈すれば解決できる問題
令和2年度 1.[1] (1) ダウンロード 3.[2] ダウンロード 1.[2](1)(2)(3) ダウンロード
1.[1] (2) ダウンロード 3.[1] ダウンロード
1.[3] (2) ダウンロード
令和3年度 1.[1] (2) ダウンロード 1.[2] (2) ダウンロード 1.[1] (3) ダウンロード 1.[1] (1) ダウンロード
令和4年度 2.[1] (1) ダウンロード 1.[3] (1) ダウンロード 1.[1] (2) ダウンロード

SAT 大学進学適性試験

草加市立草加中学校 今井壱彦教諭 プロジェクト事務局長

草加市立草加中学校
今井 壱彦 教諭
プロジェクト事務局長

今年度は,大きく2つのことを行ってきました。1つ目は,目標であった高校生を対象とした2つの授業実践です。昨年度は大学生を対象としたワークショップが中心でしたが,今年度は我々が実際に授業することを想定している高校生を対象した数学授業を行うことができました。関数電卓を用いながら,我々が設定した授業課題を乗り越えていく子どもたちの生き生きとした姿は印象的でした。また,我々が目指している数学授業像が垣間見える瞬間でもありました。2つ目は,米国の標準テストSATを例とした関数電卓の操作説明にも取り組んできました。SATでは,試験中の関数電卓使用が認められています。それらの問題を問題の解法に基づき分類を行いました(佐藤, 2021)。来年度以降は,高校生だけでなく中学生も対象として実践を行っていく予定です。さらに首都圏だけで展開していた本プロジェクトもいよいよ全国展開へと進んでいきます。それに伴い,新しいプロジェクトメンバーを迎え,全国展開,グローバル展開へと着々と準備を進めております。本プロジェクトの成果が先生方のためになり,そして,その先生方が実践する数学授業を受ける子どもたちのためになることを期待しております。

表1 関数電卓使用を前提とした際のThe SAT Math Testのサンプル問題の問題分類

即時に解決できる問題 工夫すれば解決できる問題 解決が困難な問題
関数・条件式の工夫や公式を利用すれば解決できる問題 関数電卓の使用方法を工夫すれば解決できる問題 出力結果を検討・解釈すれば解決できる問題
「Math 1」 該当無 14579
1011151619
20222324252830
3132
8
1318
2129
131418
2127
32
236
1217
26
「Math 2」 5 13468
12131418
20222324252628
2
1115
27
15
2122262728
9
101617
19

Scholastic Assessment Test

それぞれ電卓を使用した解法,電卓を使用しない解法を記載しています。

テスト カテゴリ 問題 PDFファイルをダウンロード
SAT Mathematics Level 1 Subject Test Math 1 Question 4 of 32 ダウンロード
Question 5 of 32 ダウンロード
Question 10 of 32 ダウンロード
Question 16 of 32 ダウンロード
Question 18 of 32 ダウンロード
Question 20 of 32 ダウンロード
Question 21 of 32 ダウンロード
Question 22 of 32 ダウンロード
Question 24 of 32 ダウンロード
Question 29 of 32 ダウンロード
Question 31 of 32 ダウンロード
Question 32 of 32 ダウンロード
Subject Test Math 2 Question 2 of 6 ダウンロード
Question 2 of 12 ダウンロード
Question 4 of 28 ダウンロード
Question 5 of 28 ダウンロード
Question 10 of 28 ダウンロード
Question 11 of 28 ダウンロード
Question 21 of 28 ダウンロード
Question 26 of 28 ダウンロード

Practice Report 実践報告

2021年度 確率 確率のワークショップ 川口市立舟戸小学校 本間 太陽
2021年度 方程式 実数解の個数 都立大泉桜高等学校 上田 凜太郎
2021年度 方程式 三次方程式の解の探求 埼玉県立大宮光陵高等学校 波形 政輝
2022年度 関数 「通し矢」の矢の軌道 埼玉県立川越女子高等学校 佐藤 陽平
2022年度 関数 円の接線 昭和第一学園高等学校 三島 直人
2022年度 関数 ピタゴラス音律の算定法 埼玉県立吹上秋桜高等学校 棚澤 日菜子
2022年度 基本操作 関数電卓の基本操作 さいたま市立泰平小学校 松井 雄一郎
2023年度 方程式 紙を折る回数と紙の厚さ 草加市立草加中学校 今井 壱彦
2023年度 関数 対数目盛を用いた線形変換 埼玉県立吹上秋桜高等学校 棚澤 日菜子
2023年度 関数 プロジェクターの光の明るさと投影距離 埼玉県立入間向陽高等学校 原 健太郎
埼玉大学 大学院生 山本 柚
2024年度 数学Ⅱ 対数目盛を用いた線形変換 埼玉県立吹上秋桜高等学校 棚澤 日菜子
川口市立舟戸小学校 本間太陽 教諭

川口市立舟戸小学校
本間 太陽 教諭

実践について

今回,【さいころゲーム】を題材としたワークショップで,関数電卓を使用しました。このワークショップでは,例えば「1つのさいころを投げたときの目によって勝ち負けが決まる,㋐偶数の目が出たら勝ちのようなゲームを考えてみよう」という問題を扱いました。対象は,大学生だったので,計算で数学的確率を求めることもできますが,ワークショップでは,統計的確率を求めることにしています。この【さいころゲーム】の勝つ確率を求める際に,関数電卓の「表計算」モードを用いて、擬似的にゲームを行いました。学生たちは,ゲーム結果をグループごとに決めた「ゲームの参加人数」や「ルール」に従い,関数電卓に表示させていました。その中で「表計算」モードのセルやRanInt関数の使い方にグループごとに違いが見られました。例えば,一度にたくさんのゲーム結果を表示させるグループや,1ゲームごとにゲーム結果を表示させるグループがありました。この違いは,実際にさいころを振って確率を求める活動では,見られないでしょう。他にも,少ない時間で,ゲーム結果を表示させることができるおかげで,数学的確率に近づくまで,繰り返すグループもありました。このような統計的確率が数学的確率に近づく様子を,実際の実験で見るとすると,数学的確率に近づくまで膨大な試行回数が必要になります。関数電卓の使用により,実際に統計的確率が数学的確率に近づく様子も見ることができました。また,これは,現行中学校学習指導要領上での数学的確率と統計的確率の取扱いの順番とは,逆になっており,興味深いものでした。

埼玉県立川越女子高等学校 佐藤陽平 教諭 事務局長補佐

埼玉県立川越女子高等学校
佐藤 陽平 教諭
事務局長補佐

実践について

今回の実践では,まず初めに埼玉県高等学校数学科標準テストの問題を用いて,関数電卓の操作説明をおこないました。例題として取り上げた問題は,数学I+Aの1(2),(4),2(3),(4),5(1)の5問です。いずれも,関数電卓を用いて即時に解決できる問題です。次に,実際に大学生が関数電卓を用いて標準テストを解きました。その際,数人のグループで話し合いながら解きました。あらかじめこちらで,(ホームページ内の標準テストの解法9つのように)解法は想定をしていました。しかし,我々が想定していた解法とは異なる解法をたくさん見ることができました。中には,私が知らなかった機能を発見し,使いこなしている学生も見られました。大学生が標準テストを解いていく中で,こちらも大学生から教わるものがありました。以下が,学生の感想の一部です。「普段は使わないようなところの頭を使ったり, また初めて使う関数電卓の練習にもなったような気がします。(東京都内国立大学理工系学部)」「使いこなせるようになるともっと便利になるので,知識を増やしていきたい。(静岡県内国立大学理系学部)」

川口市立舟戸小学校 本間太陽 教諭

川口市立舟戸小学校
本間 太陽 教諭

活用 確率のワークショップ

この実践は,指導案【確率のワークショップ】に基づき,静岡県内国立大学理系学部・東京都内国立大学理工系学部の学生を対象として,おこなわれています。この実践では,様々な関数電卓の使用方法が見られました。特に,関数電卓での乱数表示を行う前に,数学的確率を求め,その確率に近づくように何度も乱数表示をし直すという使用方法は特徴的でした。

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都立大泉桜高等学校 上田 凜太郎 主任教諭

都立大泉桜高等学校
上田 凜太郎 主任教諭

数学Ⅱ 実数解の個数

この実践は,指導案【数学Ⅱ実数解の個数】に基づき,茨城県内国立大学理系学部の学生を対象として,おこなわれています。この実践では,関数電卓を使用する際の意図を顕在化させる必要性があることが示唆されました。また,紙とペンや関数電卓等,生徒が何を用いて解決しているかだけでなく,解決の意図を顕在化させる手立てが必要であることも示唆されました。

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埼玉県立大宮光陵高等学校 波形政輝 教諭

埼玉県立大宮光陵高等学校
波形 政輝 教諭

数学Ⅱ 三次方程式の解の探求

この実践は,指導案【数学Ⅱ 三次方程式の解の探求】に基づき,埼玉県内公立高校の生徒を対象として行われている。この実践では,方程式の解の個数を探究する活動を行った。特に,「カルク機能」を用いた際に,得られた式の値の符号に着目していることが特徴的であった。

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埼玉県立川越女子高等学校 佐藤陽平 教諭 事務局長補佐

埼玉県立川越女子高等学校
佐藤 陽平 教諭
事務局長補佐

活用 「通し矢」の矢の軌道

この実践は,指導案【「通し矢」の矢の軌道】に基づき,埼玉県内国立大学附属高等学校の生徒を対象として,おこなわれています。この実践では, 関数電卓が表示した計算結果をそのまま答えとせず,漫画の場面を振返り,解を吟味する必要があります。その際,矢の軌道に着目し,矢の軌道を体で表現し,解を吟味している様子が見られました。

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昭和第一学園高等学校 三島直人 教諭

昭和第一学園高等学校
三島 直人 教諭

数学Ⅱ 円の接線

この実践は,指導案【数学Ⅱ 円の接線】に基づき,茨城県内国立大学理工系学部学生を対象として,おこなわれている。そして,「円の接線に関する問題」における学生の回答を解法毎に分類した結果,複数の解法に共通して,θの範囲が−90°< θ <90°であることが考慮されていなく,θを正しく表すことができなかったこと,sin (θ – π /2)等を正しく変形できなかったことが明らかになった。そのため,本実践報告の最後には,高校生を対象とした授業を行う際に必要になるであろう2つの手立てを示した。

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埼玉県立吹上秋桜高等学校 棚澤 日菜子 教諭

埼玉県立吹上秋桜高等学校
棚澤 日菜子 教諭

活用 ピタゴラス音律の算定法

この実践は,指導案【ピタゴラス音律の算定法】に基づき,東京都内国立大学理工系学部の学生を対象として,おこなわれている。この実践では,学生らがピタゴラス音律の算定法をもとに表した,弦の長さを求める関数は1通りではないということがあきらかとなった。また,学生らが,自身が表した弦の長さを求める関数をもとに,課題を解決する際に使用する関数電卓の機能やモードは複数あるということがあきらかとなった。

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さいたま市立泰平小学校 松井 雄一郎 教諭

さいたま市立泰平小学校
松井 雄一郎 教諭

静岡県内国立大学理系学部・東京都内国立大学理工系学部でのワークショップの実践報告

この実践は,静岡県内国立大学理系学部学生および東京都内国立大学理工系学部学生を対象として,おこなわれている。ここでは, 非営利団体College Boardが主催する米国の標準テストであるSATのThe SAT Math Test のサンプル問題について,学生らが関数電卓を用いて解決した手順について記載している。この実践では,学生らが,手計算ではなく関数電卓を用いたからこそ導くことのできた様々な解法を確認することができた。

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草加市立草加中学校 今井壱彦教諭 プロジェクト事務局長

草加市立草加中学校
今井 壱彦 教諭
プロジェクト事務局長

静岡県内国立大学理系学部での実践報告

この実践は,指導案【紙を折る回数】に基づき,静岡県内国立大学理学系学部学生を対象として,おこなわれています。この実践から示唆されたことは,関数電卓で計算できるように,入力前に式変形をおこなう場合があることです。具体的には,次の2つの場面が見られました。1つ目は,学生らが「基本計算」モードで計算ができるように,事前に式変形をしてから,関数電卓に入力している様子です。2つ目は,機能を用いることができないために式変形している様子です。「基本計算」モードでの方程式を解く機能であるソルブ機能では,初期値によって解が求められない場合があり,解を求められるようにするため,式を変形していました。なお,本実践は,理学系学部学生を対象とした実践であったため,学生らが様々な式変形をおこない,関数電卓で解を求められるようにしていました。中等教育段階の学生を対象とした実践では,異なる式変形をおこない,解決していくことも想定されます。

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埼玉県立吹上秋桜高等学校 棚澤日菜子 教諭

埼玉県立吹上秋桜高等学校
棚澤 日菜子 教諭

対数目盛を用いた線形変換に関する数学科指導案(略案)

この実践は,指導案【対数目盛を用いた線形変換に関する数学ワークショップ】に基づき,都内私立女子大学数学科教員免許状取得希望学生,静岡県内国立大学理系学部学生,東京都内国立大学数学科教員免許状取得希望学生を対象として,おこなわれている。ワークショップにおいて,学生らは,自身が点をプロットした片対数グラフと,関数電卓の「統計計算」モードによる回帰計算の結果をもとに,y軸を対数目盛に変更したことにより,曲線で表されていたグラフがどのように変化するのかを予想する。そして,線形であるとみなすために必要な根拠は何かについて考察する。この実践では,次のことが明らかとなった:ワークショップにおける学生らのy軸の目盛を対数目盛としたグラフの概形の予想について,点をプロットした片対数グラフをもとにした場合,線形となると記述している学生が,関数電卓の「統計計算」モードによる回帰計算の結果をもとにした場合よりも多かったことである。一方で,線形であるとみなすための根拠については,根拠①の片対数グラフをもとにした根拠よりも根拠③の関数電卓の「統計計算」モードによる回帰計算結果をもとにした根拠が多かった。

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埼玉大学 大学院生 山本 柚 さん

埼玉大学 大学院生
山本 柚 さん

埼玉県立入間向陽高等学校 原 健太郎 教諭

埼玉県立入間向陽高等学校
原 健太郎 教諭

茨城県内国立大学理学系学部学生および埼玉県内国立大学教員養成系学部学生を対象としたワークショップの実践報告

この実践は,茨城県内国立大学の中学校・高等学校数学科の教員を志望する学生,および埼玉県内国立大学教員養成系学部学生を対象としておこなわれている。実践ではまず,平成27年度全国学力・学習状況調査で出題されたプロジェクターを題材とした問題について紹介する。次に,学生らはプロジェクターのレンズから投写画面までの距離とプロジェクターの投写画面の明るさを測定する実験をおこなう。実験から得られたデータをもとに,関数電卓を用いて測定距離と投写画面の明るさの間に成り立つ関数関係を探求する。この実践では,学生らが,「統計計算」モードによる回帰計算結果から,どのように関数関係を探求したかについて確認することができた。ここでは,学生らが回帰計算結果から何を根拠に結論づけているかを記載している。

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埼玉県立吹上秋桜高等学校 棚澤 日菜子 教諭

埼玉県立吹上秋桜高等学校
棚澤 日菜子 教諭

数学Ⅱ 対数目盛を用いた線形変換

この実践は,指導案【対数目盛を用いた線形変換に関する数学授業指導案】に基づき,埼玉県内国立大学附属高等学校第3学年の生徒を対象として,おこなわれている。授業において,生徒らは,自身が点をプロットした片対数グラフと,関数電卓の「統計計算」モードによる回帰計算結果をもとに,y軸を対数目盛に変更したことにより,曲線で表されていたグラフがどのように変化するのかを予想する。そして,線形であるとみなすために必要な根拠は何かについて考察する。この実践では,次のことが明らかとなった:授業における生徒らのy軸の目盛を対数目盛としたグラフの概形の予想について,点をプロットした片対数グラフをもとにし線形となると記述している生徒が,関数電卓の「統計計算」モードによる回帰計算結果をもとにし線形となると記述している生徒よりも多かった。線形であるとみなすための根拠についても,片対数グラフをもとにした根拠を記述している生徒が,関数電卓の「統計計算」モードによる回帰計算結果をもとにした根拠を記述している生徒よりも多かった。関数電卓の「統計計算」モードによる2変数(x, y)2次回帰計算結果をもとにGeoGebra等のアプリを使ってグラフを表示させ,表示されたグラフから視覚的に線形であると判断する根拠を記述していた生徒がいた。

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Project Member プロジェクトメンバー

開智中学・高等学校 大川健史 教諭

開智中学・高等学校
大川 健史 教諭

任天堂の伝説的な社員であった横井軍平さんが残された,「枯れた技術の水平思考」という言葉があります。最新鋭の機器は次々と生み出されていきますが,そこに目を向けるのではなく,広く一般的に普及した機器・技術から,新たな価値を創造して商品にしていく,という考え方です。そのような考え方から,ゲーム&ウオッチやゲームボーイなどの,当時では革新的なゲーム機が開発されたそうです。初めて聞いたときは,なるほどなあと思ったものですが,本研究を進めていくにあたり,我々がやっていることはこの考え方にかなり近いのでは,とはたと思い至りました。確かに関数電卓でできることというのは,タブレットやPCを使えば似たようなことはできるでしょう。ですが,関数電卓でなければできないこと,関数電卓だからこそ実現できること,ということも存在し,そこに豊かな可能性があることを私は確信しています。関数電卓という機器を用いて,新たな数学の授業を創造するという楽しさを先生方と共有することができたら,それに勝る喜びはありません。

都立大泉桜高等学校 上田 凜太郎 主任教諭

都立大泉桜高等学校
上田 凜太郎 主任教諭

現代の学校教育は,Society5.0やGIGAスクールなどのキーワードが乱立しています。また,新高等学校学習指導要領では探究型の学習指導が叫ばれているものの,ICTを活用する多くの探究型の教材では,思い出づくりでしかない一過性のものとなってはいるものも散見されます。30年後の社会を見据え,数学教育がICTをその教育実践においてどのように受け止めるべきなのか,真正面から検討すべき時です。
本研究は,関数電卓使用を前提とした上でどのような数学の内容・方法を検討することができうるかと,その内容・方法をどのように目標として埋め込むこみうるかを中心に研究を進めてきました。今後は,これまでの研究成果に基づき授業実践を進めていくとともに,そのような授業実践を達成しうる教師教育プログラムも検討していきます。ICTの表層的な使用の議論に留まらず,数学教育を通して「人間とは何か」に迫っていきたいと考えています。

草加市立草加中学校 今井壱彦教諭 プロジェクト事務局長

草加市立草加中学校
今井 壱彦 教諭
プロジェクト事務局長

このプロジェクトでは,20年後,30年後の数学授業を想像しながら,数学授業における関数電卓実用化を目指し取り組んでいます。これまでに,関数電卓使用を前提として,2019年度実施の高等学校生を対象とした数学のテストに出題された問題を解決していきました。出題内容は,教科書の例題に掲載されているような,基礎的・基本的な問題になっています。これにより,今現在のテストや学力調査において,関数電卓を使用した解決を想定することができています。さらに,関数電卓を使用した解決と関数電卓を使用しない解決の異同を確認ができ,関数電卓の長所・短所をつかみつつあります。今現在の数学教育に関数電卓を導入した場合や20年後,30年後の数学教育に関数電卓を導入した場合の両方を考えながら,関数電卓使用により,数学授業での子どもたちの姿がどのように変わるのかを想像しながら,このプロジェクトを進めています。
今後は,いよいよ中等教育段階での関数電卓を用いた授業実践が行われる予定です。そこで得られた示唆をもとに,関数電卓使用を前提とする数学授業の全国展開,グローバル展開を目指します。関数電卓を使用することで,より「数学の核」に迫る授業が実践できることを期待し,そのような授業実践に向けて準備を進めております。

昭和第一学園高等学校 三島直人 教諭

昭和第一学園高等学校
三島 直人 教諭

近年,学校現場にも生徒一人一人がタブレット等を使用できる環境が整備され,ICTの活用がより注目されてきています。その中で,授業中の板書の手間(時間)が省略できること,アニメーションを使用した説明よって分かりやすくなること,アプリを使用して小テストを実施できること等がICTの活用の方法として多く取り上げられているように思えます。もちろんそのような価値も認めつつも,数学の授業でICTを活用していく際には,さらに踏み込んで考えていくことも必要です。そして,私は,あるICTを活用したからこそ実現する数学的な活動が成しえた際に,より豊かな価値が存在すると信じ,日々の授業を行っています。
このような立場から,本プロジェクトでは,「関数電卓ならでは」の数学的活動を実現できるように授業を設計し,実践していきました。今後,全国展開していく中で,多くの先生方と議論を重ね,多くの実践を共有し発展していきたいです。そして,関数電卓が,生徒たちにとって有意義な活動をもたらし,彼らが新しい数学を学ぶ機会を提供しうるICT機器であることを期待し,研究を進めていきたいです。

岡山大学 教育学部 服部 裕一郎 准教授

岡山大学 教育学部
服部 裕一郎 准教授

ここ数年の教育現場ではGIGAスクール構想も相まって,授業インフラも目まぐるしいスピードで変化しているように思います。一昔前までは,「数学の授業は紙と鉛筆さえあればよい」と言われていた時代もありました(私の子ども時代!?)。しかし今の時代は明確に違います。数学授業の中でICTをうまく活用することは,数学的発見を容易にさせたり,数学的な理解をより深めさせたりする点で非常に有効です。子ども達の図形概念を深めるにあたって,動的幾何ソフトを活用することはその典型とも言えるでしょう。統計的な問題解決においても,とりわけ統計量の処理にICTを活用することが肝要であることは間違いありません。
では本プロジェクトが射程をおく「関数電卓」を使用することで,どのような数学授業が実現できるでしょうか。このことを考えるにあたっては,関数電卓を使うことを目的とするのではなく,関数電卓を使うことを方法として,子ども達に育みたい数学的な資質・能力をはっきりとさせることがまずは大切でしょう。先生方は,いま目の前にいる子ども達にどのような資質・能力を育みたいでしょうか?そしてその資質・能力をどのような教材で育もうとしているのでしょうか?その教材を使って,具体的に授業をどのようにデザインするのでしょうか?関数電卓をどのようなタイミングで,どのように使用するのでしょうか?そして,困難を示している子ども達にはどのような支援を行うのでしょうか?これらのことについて,本プロジェクトでは,授業を実践する前段階で事前にメンバーで活発に議論を重ねています。「紙と鉛筆」の時代の数学教育でも,「ICT」を活用する時代の数学教育でも,変わらずに大切なことは教師の真摯な教材研究です。関数電卓の機能を利用した数学授業の可能性を,本プロジェクトを通して考究していきたいと思います。

春日部共栄中学高等学校 小篠拓央 教諭

春日部共栄中学高等学校
小篠 拓央 教諭

筑波大坂戸高等学校 塚原康介 教諭

筑波大学附属坂戸高等学校
塚原 康介 教諭

埼玉県立大宮光陵高等学校 波形政輝 教諭

埼玉県立大宮光陵高等学校
波形 政輝 教諭

川口市立舟戸小学校 本間太陽 教諭

川口市立舟戸小学校
本間 太陽 教諭

埼玉県立入間向陽高等学校 原 健太郎 教諭

埼玉県立入間向陽高等学校
原 健太郎 教諭

埼玉県立川越女子高等学校 佐藤陽平 教諭 事務局長補佐

埼玉県立川越女子高等学校
佐藤 陽平 教諭
事務局長補佐

埼玉県立吹上秋桜高等学校 棚澤日菜子 教諭

埼玉県立吹上秋桜高等学校
棚澤 日菜子 教諭

さいたま市立泰平小学校 松井雄一郎 教諭

さいたま市立泰平小学校
松井 雄一郎 教諭
事務局長補佐

埼玉大学 大学院生 山本 柚さん

埼玉大学 大学院生
山本 柚さん
事務局員

埼玉大学 大学院生 立原 幹之さん

埼玉大学 大学院生
立原 幹之さん
事務局員

埼玉大学 大学院生 後藤 璃子さん

埼玉大学 大学院生
後藤 璃子さん
事務局員

埼玉大学 大学院生 菊池瑠翔さん

埼玉大学 大学院生
菊池瑠翔さんん
事務局員

埼玉大学 大学院生 鈴木 佑実さん

埼玉大学 大学院生
鈴木 佑実さん
事務局員

全国代表者

北海道釧路市教育委員会教育支援課 赤本指導主事

北海道釧路市教育委員会教育支援課
赤本 純基 指導主事
北海道・東北

玉野市立宇野中学校 森 裕司 教諭

玉野市立宇野中学校
森 裕司 教諭
中国・四国

カシオ計算機株式会社

教育BU 商品戦略部 小川宗之

教育BU 商品戦略部
小川 宗之
産学共同プロジェクト推進

これまでの発表論文等のご紹介

Dema, Y., Tanazawa, H., & Matsuzaki, A. (2022, December). How do undergraduate students solve a question of mathematics examination in Kingdom of Bhutan using and without using a scientific calculator? Oral presentation at 10th Research Conference on Science and Mathematics Education, Online.
服部裕一郎・田中勇誠・村田由香梨(2023)「関数電卓を用いた中学校数学授業の設計と実践-連立方程式の解の意味の追究-」『日本科学教育学会第47回年会論文集』pp.123-126
本間太陽(2021)「関数電卓の表計算モードを用いたさいころの出目の表現の相違に関する一考察-東京都内国立大学理工学部学生による【さいころゲーム】のルールと勝敗の決定に焦点を当てて-」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.400
本間太陽・松嵜昭雄(2021)「『Grundvorstellungen』の誘発と干渉に関する一考察-静岡県内国立大学理系学部学生対象のワークショップを事例として-」『2021年度第25回数学教育学会大学院生等発表会予稿集』pp.41-43
今井壱彦(2021a)「関数電卓使用を前提とした数学問題解決時の解法に基づく問題分類-令和元年度(第69回)埼玉県高等学校数学科標準テストを例として-」『2021年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.99-101
今井壱彦(2021b)「関数電卓使用を前提とした√2の近似値追求」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.218
今井壱彦(2023)「関数電卓使用を前提した数学授業実践での関数電卓の役割-これまでの実践をもとに-」『日本科学教育学会第47回年会論文集』pp.119-122
菊池瑠翔・鈴木佑実・松嵜昭雄(2024)「関数電卓使用を前提とした数学問題解決時の解法に基づく問題分類-令和4年度(第72回)埼玉県高等学校数学科標準テスト(数学II+B)を例として-」『2024年度数学教育学会夏季研究会(関東エリア)発表論文集』pp.46-49
大川健史(2021a)「関数電卓の逆三角関数機能を用いた授業の提案-『有明アリーナの天井の光の反射』を題材として-」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.391
大川健史(2021b)「関数電卓の逆三角関数機能を用いたワークショップの実践報告-『有明アリーナの天井の光の反射』を題材として-」『2021年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.105-107
大川健史(2022)「関数電卓を用いた図形の計量に関する一考察」『2022年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.95-97
小篠拓央(2021)「関数電卓の小数表示の制限を題材とした問題の提案-循環節が予想できない小数の数当て問題-」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.401
小篠拓央(2022)「関数電卓使用を前提とした『数当て問題』とユークリッドの互除法」『2022年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.136-138
松嵜昭雄(2021a)「関数電卓使用を前提とする数学授業の構想-2020(令和2)年度の取組-」『2021年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.96-98
松嵜昭雄(2021b)「Organized Session B『関数電卓使用を前提とする数学授業の構想』報告」数学教育学会学会『学会通信』72号, pp.9-10
松嵜昭雄(2022)「米国の標準テストThe SAT Math Testでは『関数電卓』が必須アイテム?!」『教育科学/数学教育』No.773, pp.74-77
松嵜昭雄(2023)「関数電卓使用を前提とする数学授業の創造に向けて」『日本科学教育学会第47回年会論文集』pp.117-118
松嵜昭雄・上田凜太郎・塚原康介(2020)「都内私立女子大学理数系学科の教職課程科目における模擬数学授業研究の取組-学生によるマイクロティーチングに先立つ現職数学科教員による数学授業 GP-」『2020年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.189-191
松嵜昭雄・山本柚(2023)「2乗に反比例する関数の今日的取扱いに関する一考察-プロジェクターの投写画面の明るさの測定と関数電卓を使用した関数関係の探究-」『2023年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.108-110
三島直人(2021)「関数電卓の逆三角関数機能を用いた解法-円の接線に関する問題を例にして-」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.390
三島直人(2022)「関数電卓の逆三角関数機能を用いた数学実験授業-円の接線に関する問題における直線とx軸のなす角の大きさに着目した解法-」『2022年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.133-135
紋谷恒洋・山田理智・山本紗希・松井雄一郎(2022)「関数電卓使用を前提とする『プロジェクター』問題の授業アイディアの構想-埼玉県内国立大学教員養成系学部学生対象のワークショップの実践を通して-」『2022年度数学教育学会秋季例会予稿集』pp.142-144
波形政輝・鈴木大樹(2021)「関数電卓のカルク機能を用いた高次方程式の解の探究に関する教材」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.377
佐藤陽平(2021)「関数電卓使用を前提とした数学問題解決時の解法に基づく問題分類-米国の標準テストSATのThe SAT Math Testのサンプル問題を例として-」『2021年度数学教育学会夏季研究会(関東エリア)発表論文集』pp.21-24
佐藤陽平・松嵜昭雄(2021)「高等学校数学科における弓道を題材とした二次関数の教材開発に向けて-関数電卓の使用と三十三間堂で行われていた『通し矢』に着目して-」『2021年度第25回数学教育学会大学院生等発表会予稿集』pp.32-37
佐藤陽平・松嵜昭雄(2022)「関数電卓の利活用を前提としたモデリングにおける数学的作業に関する一考察-漫画『弓道士魂』の場面を題材とした授業実践を通して-」『2022年度第26回数学教育学会大学院生等発表会予稿集』pp.61-64
佐藤陽平・塚原康介(2021)「関数電卓使用を前提とする変域決定問題の解法-漫画『弓道士魂』の一場面に着目して-」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.396
鈴木大樹・波形政輝(2021)「関数電卓のカルク機能を用いた高次方程式の解の探究に関する授業実践」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.378
鈴木佑実・菊池瑠翔・松嵜昭雄(2024)「関数電卓使用を前提とした数学問題解決時の解法に基づく問題分類-令和4年度(第72回)埼玉県高等学校数学科標準テスト(数学I+A)を例として-」『2024年度数学教育学会夏季研究会(関東エリア)発表論文集』pp.9-12
立原幹之・松嵜昭雄(2024)「数学的モデリングにおけるGeoGebraと関数電卓の出力結果の誤謬-漫画の一場面を題材とした大学生対象ワークショップの事例研究-」『2024年度第28回数学教育学会大学院生等発表会予稿集』pp.10-15
立原幹之・棚澤日菜子・松嵜昭雄(2023)「漫画『黒子のバスケ』の一場面を題材とした射法投射の数学的モデルの一考察-GeoGebraと関数電卓使用を前提としたモデリングの比較を通して-」『2023年度数学教育学会秋季例会予稿集』pp.130-132
立原幹之・山本柚・千葉佳奈惠・棚澤日菜子(2022)「関数電卓使用を前提とした数学問題解決時の解法にもとづく問題分類-大学入試センター作成令和2〜4年度「数学Ⅰ・数学A」を例として-」『2022年度数学教育学会秋季例会予稿集』pp.132-134
棚澤日菜子(2021)「関数電卓使用を前提とする音律を題材とした数学教材開発に向けて-ピタゴラスの算定法と三分損益法に着目して-」『2021年度数学教育学会夏季研究会(関東エリア)発表論文集』pp.25-28
Tanazawa, H. (2021, December). Development of teaching materials on the subject of musical temperament on the premise of using scientific calculator: Using answer memory of basic calculation mode for the calculation method of Pythagorean tuning. Oral Presentation at 9th International Conference of Research on Mathematics and Science Education in 2021. Online.
棚澤日菜子・松嵜昭雄(2022)「関数電卓使用を前提とする指数関数の授業構想に向けて-ピタゴラス音律を題材とした大学生対象のワークショップの実践報告-」『2022年度第26回数学教育学会大学院生等発表会予稿集』pp.71-76
棚澤日菜子(2022)「関数電卓使用を前提とする指数関数の授業実践-ピタゴラス音律の算定法にもとづくモノコードの調律を通して-」『2022年度数学教育学会夏季研究会(関東エリア)発表論文集』pp.5-8
Tanazawa, H. (2022, December). Development of teaching materials for linear transformation using logarithmic scale. Oral presentation at 10th Research Conference on Science and Mathematics Education, Online.
Tanazawa, H., & Matsuzaki, A. (2022, September). Is it possible to tune using scientific calculator? Through the modelling workshop based on Pythagorean tuning. Live Presentation at the 20th International Conference on the Teaching of Mathematical Modelling and Applications. Online.
棚澤日菜子・松嵜昭雄(2023)「対数目盛を用いた線形変換に関する授業構想に向けて-関数電卓の「統計計算」モードの使用と大学生対象のワークショップを通して-」『2023年度第27回数学教育学会大学院生等発表会予稿集』pp.78-83
塚原康介・松嵜昭雄・上田凜太郎(2020)「ICTを利活用する数学指導に対する大学生の捉えの変容-都内私立女子大理数系学科の教職課程科目における模擬数学授業研究を通して-」『2020年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.195-197
塚原康介・佐藤陽平(2021)「関数電卓使用を前提とする2次関数の授業提案-漫画『弓道士魂』の一場面に着目した変域決定問題-」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.395
上田凜太郎(2021a)「関数電卓使用を前提とする解決の事例的検討-高次方程式機能に着目したワークショップの設計・実践を通して-」『2021年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.102-104
上田凜太郎(2021b)「関数電卓の高次方程式機能を用いた授業デザイン」日本数学教育学会第103回全国算数・数学教育研究(埼玉)大会『大会発表要旨集』p.394
上田凜太郎・松嵜昭雄・塚原康介(2020)「ICT を利活用する数学教材に対する大学生の捉えの変容-都内私立女子大理数系学科の教職課程科目における模擬数学授業研究を通して-」『2020年度数学教育学会春季年会予稿集』pp.192-194
Yamamoto, Y., Hara, K., & Matsuzaki, A. (2022, December). Towards the development of teaching materials for functions of inverse proportion to the square on the premise of using scientific calculator: Through an experiment by measuring the brightness of the projector light. Oral presentation at 10th Research Conference on Science and Mathematics Education, Online.
山本柚・原健太郎・松嵜昭雄(2023)「関数電卓使用を前提とする2乗に反比例する関数の授業構想に向けて-『プロジェクター』問題を題材とした大学生対象のワークショップの実践報告-」『2023年度第27回数学教育学会大学院生等発表会予稿集』pp.90-95
Yamamoto, Y., & Matsuzaki, A. (2023a, September). Differences in interpretation of computer results in the modelling cycle with added computer model: Through the modelling workshop on the premise of using scientific calculator. Oral presentation at the 21st International Conference on the Teaching of Mathematical Modelling and Applications (ICTMA21), Awaji Yumebutai International Conference Center.
山本柚・松嵜昭雄(2023)「関数電卓使用を前提とする2乗に反比例する関数の探究の実際に関する一考察-プロジェクターの投写距離と投写画面の明るさの関係に着目した高校数学授業-」『2023年度数学教育学会秋季例会予稿集』pp.124-126
Yamamoto, Y., & Matsuzaki, A. (2023b, December). Facets of student’s modelling process in modelling cycle with added computer model: Focusing on inquiry of functional relationship inverse proportion to the square. Oral Presentation at 11th International Conference of Research on Mathematics and Science Education in 2023. Online.
山本柚・松嵜昭雄(2024)「関数電卓使用を前提とする 2 乗に反比例する関数の教材開発-線形変換と相関係数の取扱いを踏まえた教育課程への位置づけに向けて-」『2024年度第28回数学教育学会大学院生等発表会予稿集』pp.76-81
山本柚・立原幹之・千葉佳奈惠・棚澤日菜子(2022)「関数電卓使用を前提とした2次方程式の問題の解法に関する一考察-令和3年度大学入学共通テスト本試験『数学Ⅰ・数学A』を例として-」『2022年度数学教育学会秋季例会予稿集』pp.129-131