日本の数学教育を
より良くするために
今、世界中のあらゆる場面で統計の必要性が高まっています。
ビッグデータの分析、感染症対策の立案、スポーツ力向上など活用される分野はますます増大していきます。
統計は今までの世界の見方を大きく変えます。
今年の夏は、統計を身近な知識として様々な問題にチャレンジしてみましょう。
公開日:2022年8月2日
総括
生徒達が選ぶテーマは世の中を反映したコロナ・オリンピックなどのテーマから、高校生らしい学校生活に関わるものまで、バラエティに富んだものとなりました。身につけた統計技能を用いてデータの分析をする際に、まずはデータを視覚化することで、数値だけに偏らない分析を行うことができていたように感じます。惜しまれるのは、グラフなどの見せ方などに課題が残りましたが、継続的な取り組みの中で改善していく仕組みを考えたいと思います。
1今回の統計コンクールのプロジェクトについて
さまざまな場所で,統計に関するコンテストが行われていますが,その敷居は比較的高いものと感じています。その理由として考えられるのは,参加の前提として求められる統計分野の知識・技能がデータの集め方から,分析,まとめ方にわたって広範であること,何かの成果・結論をもって応募しなければならないと考えられている,といったことでした。そこで,今回の統計コンクールでは,自分達の自由な発想をもとに,データを集めて分析することを楽しんでもらい,ClassPad.netを用いて取り組む過程を評価しようと考えました。統計学として重要な事柄は様々あると思うのですが,形式にこだわり過ぎずにデータの分析を楽しんで学ぶことを第一にしてコンテストを行いました。
2指導について(呼びかけ、日程、授業方法、工夫されたことなど)教えてください
2021年秋に、高校1年生を対象に実施をしました。数Ⅰデータの分析は既習の生徒達です。全3時限の授業計画で,4〜5人を1チームとして活動を行いました。1時限目では自分達でデータを用いて明らかにしたいテーマを絞り,リサーチクエスチョンを決めます。引き続き,生徒たちはその問いを解決するためにどのようなデータを準備するのが良いかを検討し,必要に応じてアンケートの実施計画を立てて実施をしました。3時限目にはそれらのデータを分析・考察しながらグループでまとめ作業を行い,簡単な形ではありますがクラスでの発表会を開催しました。当時を振り返ってみますと,コロナの影響でオンライン授業が行われていた時期で,生徒たちは自宅からオンライン授業で発表会に臨みました。オンライン授業での質疑応答が積極的にできたのは,ClassPad.netを用いたことで作業や思考の過程が共有しやすかったのではないかと考えています。
3作品のコメントと評価
教科書などにはない、面白い視点でデータの分析を行っているチームが多く見られました。2つの変量を用いた相関分析は比較的取り組みやすく、想像しないデータの結びつきを考察する作品がみられる中で、優秀賞の作品は、さらにそれを踏み込んで考察することができました。また、生徒達がフォームなどを用いてアンケートを実施し、生のデータを用いて分析をしている作品もいくつかあり、その中でもデザイン賞の作品は、分析を見通したアンケートのデザインを行い、結果分析を行うことができました。アイデア賞の作品は、ワクチンの接種率について、ナイチンゲールが実際に用いた鶏のとさかグラフを作成するという、興味深いものでした。
芝浦工業大学柏中学高等学校
古宇田大介 教諭
優秀賞
奥田春志さん、諫見優菜さん、関唯斗さん、畑中千枇呂さん(高校1年)
作品名:観光客とゆるキャラの関係
fx-991EXを贈呈
デザイン賞
相村賢澄さん、齊藤達貴さん、松丸琥珀さん、荒井陸さん、佐藤公紀さん(高校1年)
作品名:コロナ禍での学校行事とオリンピックについて
fx-375ESAを贈呈
アイデア賞
永吉涼葉さん、香取耀家さん、三浦かれんさん、山本巧さん(高校1年)
作品名:ワクチン接種率の3カ国比較ーナイチンゲールの手法を用いてー
fx-290Aを贈呈
特別賞
今田光紀さん(高校1年)
作品名:オンライン授業の期間のスマホの使用状況と生活状況調査
加藤祐さん(高校1年)
作品名:近年の東京人口の推移