先生の声
外国人の生徒に日本語を教える先生方から、この電子辞書についてご意見をいただきました。
神田外語大学 教育イノベーション研究センター 客員講師 関 かおる 先生
電子辞書XD-JP10を使って感じたこと
- 辞書を所有していない学生が増えたが、電子辞書は学生にとって携帯性だけではなくオフラインで使えるところが良いと感じる。
余計な情報が無く、調べたい部分にダイレクトに行けるところが学習に効果的。逆にネット検索は自分に都合の良い情報しか得られなかったり、候補文字が自動的に出てくる検索エンジンなどは学習効果が低いと感じる。 - 最近ではAIなどの普及により効率的な学習もできるが、情報の正確性を見抜く力が必要。
まずは電子辞書のオフラインの情報で共通理解を確認し、その後でAIなどを活用したほうが効果的な学習方法に繋がると感じる。
以前にネイティブ日本人とAIによる日本語文章を比較した論文を見たことがあるが、AIに足りないのは感情を含めた経験値で、感情を込めた美しい日本語は今後も大切にしたい。 - エクスワードは小中高生に大変良いツールで、社会人のリカレント教育にも効果的と感じる。また授業中にすぐ確認したい日本語教師にも便利なツールだと実感した。
- エクスワードそのものの手触りだったり、開け閉めで自動的にオン・オフできるのも良かった。
日本語を学ぶ学生にとって有効と思われるポイント
- 前項でも話しましたが、まず電子辞書のオフラインの情報で共通理解を醸成すれば、学生だけではなく指導する側も「みんな同じ情報を持っている」というスタンスに立てる。
ネット検索は情報量が多過ぎる上に情報の内容が偏っているケースも多く、正確性の確認が必要。そのため日本語の初学者にとっては対応が難しいので、電子辞書のようなツールは便利。 - 学生の自学習において、それぞれのペースで学習できるツールになっている。
- アクセント辞典や大辞林など、普段接する機会が少ない辞書を使う機会が得られることも、学生の学習、特に語彙を増やすという点においてメリットがあると感じる。
- 学習帳の中にあるノートの「楽しく学ぼう」は語彙の練習になり、ルビもふってあるため初学者の学習に向いていて、クイズ形式など授業の中でも活用できる。
学生へのメッセージ
- 言葉は文化の一部なので、言葉の裏には必ずその国の文化があります。
アニメをきっかけに日本語や日本文化を学ぶ学生が多いですが、アニメは日本文化の一部でしかないので、きっかけはアニメでも良いですが、日本語や日本文化の広い世界を学んで欲しい。
神田外語学院 キャリア日本語科 小野寺 志津 先生
電子辞書XD-JP10を使って感じたこと
- 今まで教室に小さな電子辞書を持ち込んでいたが、ちょうど壊れてしまい、新しいものを探していたところだった。やはり言葉を調べるなら、開いてすぐ単語を入力すればいい電子辞書が最適。
- 学生に教える漢字の教師確認用として大変便利。「あおな」や「よせ」など個人的に苦手なアクセント確認用としても便利で、教師にとってありがたい。
- 収録されている新漢語林は授業前の準備に大変便利。言葉の成り立ちから意味が生じていることがわかるし、それをヒントに根本的な意味が学習できる。例えば不平等の「不」など、「~ではない」という漢字の意味自体が書かれていて教える側も学ぶ側も理解しやすい。
日本語を学ぶ学生にとって有効と思われるポイント
- その場だけの翻訳ツールとは違い、電子辞書は確かな知識の蓄積を助けるツール。
- 日・ベトナム・英辞典は大変便利。学生が活用するだけでなく、ベトナム語がわからない日本人や、英語で意味を確認したい場合にも重宝する。
- 検索機能にある「日本語手書きで調べる」は大変有用。分からない言葉があれば、すぐに手書きで調べることができるので、頭の血肉になるイメージ。またその場合、日本語を四角の箱の中におさめて書く必要があるが、きちんとしたひらがなを書かないと認識されないことも学習につながる。
- 「こどもマナーとけいご絵じてん」は視覚情報が多いので初学者向けで使いやすく、「日本語多読ライブラリー」や「明鏡日本語クイズ300」は、レベルごとに分かれているので、それぞれが学習段階に合わせて活用できる。
- 就活に必要なコンテンツは大変便利。
- 学生だけではなく、海外に駐在している日本人などにも役立つのではないか。
学生へのメッセージ
- 言葉の意味を調べるだけなら、他のツールでもできます。ですが、言語の持つ奥深さを感じることは難しいでしょう。この電子辞書は、『日本語』というどこまでも広がる言語の入口です。例えるなら、大海原へダイビングするイメージで、日本語という海へ深く潜るほど、つまり調べれば調べるほど、新しい何かに気付いたり知識を得たりすることができます。この体験は他にはなく、エクスワードを使うことで日本語にもっともっと興味が持てるはずです。
- ネット上に様々ある動画を視聴するのは、面白くて簡単ですが受動的な学習です。動画視聴と違い、辞書を使うことで、自ら探究的な学びを実現することも可能です。初学者だけではなく先生も使えるツールとしてお試しいただければと思います。
- 「持っている人」になって、頭の中が無限に広がる体験をしましょう。
神田外語学院 キャリア日本語科 藤岡 亮子 先生
電子辞書XD-JP10を使って感じたこと
- 10年位前までは電子辞書を使っていたが、それ以来使っていなかった。携帯して使うのではなく、決まった場所に置いて、必要な時に使うというスタイルで活用。
- コンテンツが豊富で、日本語を教える教師も活用できる。特に、「日本語発音アクセント辞典」や「日本語文型辞典」などは、ネット検索では調べることができない信頼できる情報のため、教師にも有用。また、「しごとの日本語」や「日本語能力試験」など、教科書として使用しているコンテンツが収録されていることも大変便利。
日本語を学ぶ学生にとって有効と思われるポイント
- 何でも知りたいという探究心のある学生にとっては大変便利なツール。特に中国の学生の皆さんは、漢字表記で分かりやすく、使用する際のハードルが低いと感じる。
- 前述にも記載した通り、「しごとの日本語」や「日本語能力試験」など、教科書として使用しているコンテンツが収録されていることは学生にとっても大変便利。
- 「日本語多読ライブラリー」や「日本文学500作品」など、興味関心をひくコンテンツが使えることで、日本語上達の後押しができる。
- スピーチ練習機能も収録されていて、実際に通用する日本語なのかを確認することもできる。
学生へのメッセージ
- 電子辞書は学習をサポートしてくれるツールです。自分に合わせて活用しながら、毎日10分あるいは1教科など、日々努力を積み重ねて行くことが、学習する上で一番大切なことです。継続は力なり!素敵な教養人になろう!